愛知県が大規模の建物を新築する際に、環境にどれだけ配慮したかを建築主に評価させる
制度を開始する
。
最高ランクの建物は容積率を増やす特典を検討しており、環境に優しい建物の建設を促したい考えだ。
個々の建物の評価の内容は県のホームページで見ることができるようにする。
「CASBEE」(キャスビー=建築物総合環境性能評価システム)という制度で、
米国や英国では同様の仕組みが先行し、国内では国土交通省が導入に力を入れている。
基本的な基準は財団法人「建築環境・省エネルギー機構」(東京都)がつくり、
2004年に名古屋市が導入したのを皮切りに京都、大阪、兵庫、静岡の4府県や横浜、福岡、札幌
など計9指定市がすでに実施している。
それらの自治体のほとんどは対象の建物を床面積2千平方メートル超や5千平方メートル超と
しているが、愛知県の場合、範囲を広げて1千平方メートル超とする方向で検討中だ。
2005年に環境をテーマにした愛知万博を開いた愛知県としては、
2010年に名古屋市で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催される
予定であることを控え、環境問題に力を入れる姿勢をより強調するねらいがある。
評価項目は100程度になる予定だ。
「太陽光を屋根から取り入れる」「雨水をためてトイレの水として使う」「リサイクル建材を使う」
「敷地内に植物を植える」「断熱素材を使う」といった省エネルギーやリサイクルへの配慮などの
内容をレベルにわけ、それを数値化したうえでS、A、B(+)、B(−)、Cの5ランクに格付けする。建築主は工事の着手前に各項目について記載した環境計画書を提出しなければならない。
評価結果は、県内で生産された木材や瓦を使っているかといった県独自の評価項目も加え、
建物ごとに県のホームページで公開する予定だ。
名古屋市の場合、07年度は229件の届け出があり、
2月に初めて最高のSランクを東区に建設中の22階建ての高層ビルが取得した。
Sランクを取ると容積率を増やすことができ、このビルもその特典を活用した。
愛知県も同様の特典制度を検討している。
名古屋市によると、名古屋駅前の高層ビルの「モード学園スパイラルタワーズ」の格付けは「A」、
JRセントラルタワーズとミッドランドスクエアは制度導入前で格付けはない。
専門家の間では「核家族化で世帯数が増え、住宅のエネルギー消費は何も対策をとらなければ
10年までに90年の1・35倍まで増える見込み」(伊香賀俊治・慶応大教授=建築環境工学)と、
戸建て住宅にもCASBEEを広げるべきだとの意見があり、愛知県も検討中だ。
ただ、対象数が多く作業が膨大になることなどから、いまのところ実現の可能性は薄いという。
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